高齢者に水分補給が重要な理由を加齢で起きる現象と合わせて解説！
「高齢者には水分補給が大切」、こんなことは聞いたことがありませんか？
もちろん子供や成人にだって水分補給は必要なのですが、特に気を付けねばならないのが高齢者です。
それは加齢によって様々な機能が低下していくためであり、水分補給を怠ることは命を短くしてしまうことになりかねません。
今回はなぜ高齢者にこそ水分補給が必要なのか、また上手に水分補給をするにはどうしたらいいのか、詳しくご紹介していきましょう。
高齢者にはなぜ水分補給が大事なのか
体内の水分量は年々減少する
わたしたち人間の体は、半分以上が水分でできています。
赤ちゃんで80％ほど、成人でも60％以上が水分です。
しかしこれが高齢者ともなると、およそ50％～55％ほどに減少してしまいます。
体内の水分は、内臓機能の補助はもちろん、細胞を活性化させたり、血液として酸素や栄養を体に巡らせるなど、非常に大事な役割を担っています。
体は水分があるからこそ正常に動き続けるのです。
しかし高齢者はしっかりと水分補給しない限り、慢性的な脱水症状状態と変わりません。
これでは体力がなくなったり病気になりやすくなるのは当然のことなのです。
つまり高齢者にとって水分補給は、老化を遅らせる正に命の水と言えるでしょう。
水分補給で脱水症状を防ごう！
高齢者が脱水症状に気付きにくい3つの理由
老化で体内の水分が少なくなることで、高齢者は脱水症状になりやすいと言えます。
なのにその脱水症状に気付きにくいのです。
これは以下の3つのことが要因です。
- 筋肉量が減り、体内に水分を留めておけなくなる
- 腎臓機能が低下し頻繁に尿意を感じる
- 体の感覚そのものが衰えていくので、喉の渇きを感じにくくなる
この3つの要因により、高齢者は脱水症状になりやすいのに気付きにくいという悪循環になってしまいます。
脱水症状をおこしてしまうと…？
脱水症状を経験したことがある方も大勢いらっしゃるでしょう。
倦怠感や頭痛、吐き気にしびれなど様々な症状が出ますが、これが重篤化すれば最悪死に至ることもある恐ろしい症状です。
また高齢者の場合は足腰も弱まっているため、めまいやふらつきで転倒する可能性も高く、それによる外傷や脳への衝撃など、更に不安要素が多くなります。
他にも血管の強度も弱くなっているため、慢性的な脱水症状は脳梗塞や心筋梗塞などの命に係わる病気の引き金となることもあるのです。
脱水症状を防ぐための水分補給とは
水分補給をする習慣をつけよう
先ほど言ったように、高齢者は「喉が渇いた」と感じることが少なくなっていきます。
そのため「喉が渇いていないから飲まない」となってしまう方も多いのです。
また「夜トイレに起きたくない」「トイレが近くなるから飲みたくない」と、水分補給することを嫌う高齢者もいるといいます。
そこで食事やお風呂などと同様、水分補給をする習慣を身につけてもらいましょう。
寝起き、食事の前後、就寝前などに水分補給することをすすめて欲しいのです。
もちろん今挙げたタイミング以外にも、数時間に1度の水分補給は大事です。
たくさん飲んでもらうのは高齢者の方にとって苦痛でしょうし、弱った腎臓に負担をかけることになりますので、コップ1杯程度の量で構いません。
少しの量をこまめに水分補給してもらう方が、効率的に体内に水分を保てますよ。
食事に水分を多く取り入れよう
他にも水分補給をしてもらう方法として、食事からも上手に水分補給をしましょう。
例えばアイスクリームやゼリーなど水分含有量の多いおやつを食べてもらったり、スープなどの汁物を必ず食べてもらうなど工夫することで、慢性的な脱水症状を防ぐことができます。
ただスープなどの汁物の場合は、どうしても塩分が多くなりがちです。
過剰な塩分は脱水症状の引き金ともなってしまいますので、お味噌汁ではなくおすましにするなど、なるべく塩分を控えるようにしましょう。
お茶での水分補給は要注意！
高齢者の方は、水よりもお茶を好んで飲むことが多いかと思います。
しかしお茶での水分補給には注意して欲しいことがあるのです。
それがお茶に含まれるカフェインです。
カフェインには強い利尿作用がありますので、お茶でだけ水分補給をすることは、本来の目的と逆効果になってしまいます。
緑茶や玄米茶はお茶の中でもカフェイン量が少ない方ではありますが、それよりも一切カフェインを含まない甜茶や杜仲茶、麦茶などをおすすめします。
カフェインは利尿作用だけでなく腎臓機能に大きな負担もかける成分ですので、特に高齢者の水分補給の際には、このカフェイン含有量にも気を配るようにしましょう。
水分補給は高齢者にとって大事な生命線！
基礎代謝が下がる、筋肉量が減る、内臓機能が低下する…これは加齢と共にどうしても出てくる老化現象です。
これは遅らせることはできても、防ぐことは出来ません。
そしてこの加齢による様々な症状があることで、高齢者は体内の水分量が年々減少してしまいます。
しかし体の感覚が鈍ることで喉の渇きを感じなかったり、トイレを億劫に思うため水分補給を嫌うため、高齢者は慢性的な脱水症状に陥りやすいのです。
高齢者にとっての脱水症状は、そのまま命の危険性に繋がります。
健康に長生きしてもらうためにも、こまめに水分補給をしてもらうようにしましょう。
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